砂上の城(かじゅモモ)私は同じ夢をよく見る。こんな夢だ。
私はモモと海辺で砂の城を作っている。かなり本格的なものだ。幼いころの砂遊びとは違うのだ。
しかし本格的に作っても、砂の城はいつか波に崩されてしまう。当たり前のことだ。
崩れるたびに私とモモは一から作り直す。一切手を抜くことなく作り直す。
「これを無意味だと思う人もいるっすよね。」
モモはそうつぶやいた。
「確かに考え方によっては無意味っすよね。でも、わたしたちが無意味じゃないと思っているなら、続けましょう。何かが許してくれる限り。」
「何かとは何だ?」
(続く)
ダブルバインド(かじゅモモ)変わらないものがあることが、信じることの条件ならば、この世で信じられるものは何ひとつない。自分さえも。
何もかもが緩急さまざまに形を変え続けて蠢いているのだ。同じ形でいられることは絶対にない。
大切なものが無ければ生きる意味を見いだせない。
感情などないように自分を騙すか、あるいは自ら終わりを選ぶか。
大切なものができれば失うことが怖くなる。情に絡め捕られて動けなくなる。どう転んでも哀しいのだ、人間は。
(続く)
ヴァニシュガール(部モモ)「面白いわね、どうやって消えてるのかしら。」
「はぁ・・・」
「透明人間になるってことは眼球組織も透明になるってことだから、自分からも何も見えなくなっちゃうのよ、知ってた?」
「いえ・・・」
「だから本当に透明になってる訳ではないのよね。」
「あの、何なんっすか」
「うん?」
(続く)
重ねる(一衣)年を重ねる、恥を重ねる、罪を重ねる。年には負が付き纏うているようで衣は誕生日というものが好きではない。自らの愚かさを何故祝わねばならないのか。
「衣、またこんなところに。」
「一・・・」
「もうすぐみんなで出掛けるのにどうしたの?ハミレスでタルタルエビフライなのに。」
「少し考え事をしていた。」
(続く)
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